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漫画家マンガを読め!

マンガの中でも特殊なジャンルを確立しつつある漫画家、漫画家周辺(書店や編集、小説家、作家・画家)を扱った漫画を語っていきます。

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2017年 06月 27日|comment(-)

ハックス 4巻 今井 哲也

ハックス!(4) <完> (アフタヌーンKC)
ハックス!(4) <完> (アフタヌーンKC)

文化祭にオリジナルアニメを作ろうとするみよしたち4人。
しかし部長は受験準備のため早々と部を去り、何もしない三山先輩は顔は出すがやはりなにもしない。

「三山せんぱいは アニメ部じゃないっていつも自分で言ってて でもいつも来てて でも来てもやる気ないって言って なにもしない。たまに手伝ってくれるけど 間違えるし けど教えるとなんか怒るし」

いるよね、こういう人。
でもみよしは思う。

「アニメ部はさ みんなのでしょ。私は自分がすごい楽しいことばっかやってるけど けどそれでさあ 誰か他の人が我慢してるのはさ やっぱ だめだよ」

みんなで楽しくアニメを作りたいみよしはなんだか気持ちがぎくしゃくしてしまう。
アニメの声を演劇部に頼んで製作するが、その音声データを三山が誤って消してしまう。間一髪で音声のファイルは残っていたが、自分たちが制作しているアニメをバカにするような三山の発言に、ついにみよしは批判めいた言葉を口にして、三山は完全に部にこなくなる。

「こんないつでも撮り直せるもんになにムキになってるんだよ たかが文化祭だろ こんな低レベルなもんにバカじゃねーの」
「せんぱい ごめんなさい けどそういうのもうやめてください 私も先輩がなにがしたいのか わかんないです」
「へっ わかったよ 結局おめーらによ 俺の気持ちなんかわかんねーだろうよ」

自分の発言のせいで三山がこなくなったと思うみよしはこんな自分がアニメを作っていていいのか、と思い悩む。みよしはみんなで楽しくアニメを作りたかった。楽しい! と感動したアニメを見て、その楽しい! を体験したくて、みんなに伝えたくてずっと描いてきたのに。

でも。

「結局やらないとアニメはできあがりません だからやる」
「なんだかんだでがんばってアニメ描いている最中は三山先輩のことも忘れちゃってます」
「ああ わたし いやなやつだ こんなにアニメ作るのが楽しくてしょうがない」

自分だけが楽しくて他の人をないがしろにしているのではないか、と悩むみよしは、しかし、描いているときは夢中だ。その絶大なエゴ、自己嫌悪を上回る、噴き上がる欲求。
そんなアニメ部に最大の困難が襲いかかる。
なんと、変態ストーカー男に半分まで作っていたアニメファイルを削除されてしまうのだ。
しかし、データは一部残っていた。それは出ていった三山が残していたコピーファイルだ。
そこでみよしはパニックになってしまう。自分が追い出した(みよしはそう思っている)人間のファイルのおかげで助かった、自分はいったいどうすればいいのか。
そんなとき、アニメ部のOGで現役アニメーターの秋野から電話がかかってくる。

「そこでとにかく守るべきなのは自分が楽しいこと。 もうね、この人、頭おかしいんじゃないかってくらい 楽しいことだけ考えたらいいんですよ。大変ですけどそれでアニメはうんと楽しくなります」

そこでみよしの世界は広がる。
みんなで楽しく作りたかった。自分だけが楽しくて他の人を巻き込んでいるのではないかとずっと悩んでいたことに「許可」が出されたからだ。

自分が楽しい、だから見て!
全員には伝わらなくても誰かは、きっと何人かには伝わるその気持ち。

もちろん実際の生活や仕事では「楽しい」だけではだめだろう。事実「一人だけが楽しんで他の人は苦痛」という場合もある。それでも。
「楽しい」という気持ちを受け取ってもらうことができるなら。

みよしは大車輪で絵を描き、無事文化祭にアニメは上映される。
以上が粗筋(感想はいってるけど)。

本当はもう少し長く読みたかった。アニメ製作している過程も見たかったし、キャラクターたちも掘り下げてほしかった。
オリジナルアニメを作ることになるんだろうな、とは思っていたけど、これほど少人数であっという間にできてしまうとは思わなかった。
昔の感覚からしたら1枚1枚セルに色を塗ると考えるけど、そうだよ、今はPC画面上で短時間で塗ることができるじゃん。バケツツールあるし(笑)。撮影もできあがったファイルをムービーメーカーにドラッグ&ドロップするだけなんだし、アニメ制作の時間って短くなっているよね。

それにしてもほとんどみよしちゃん一人の作業で進んでしまった。なんていうかこのマンガに出てくるキャラクターってコミニュケーションがとれない人間ばっかりだ。
それが今の等身大の若者なのか。

三山先輩は最後までなにをしたいのか言わないし、小島くんも彼が好きではないからなにもいわないし、みよしちゃんはなにをいっても彼を怒らせるから言えないし。
唯一、みよしちゃんたちと三山先輩の間にはいれそうな部長も受験のため部にこなくなって、上級生と下級生の間に会話はなくなってしまう。

アニメのファイルがストーカーのせいでダメになったとき、なぜ三山先輩を頼ってみなかったのか。三山先輩の手伝った箇所にミスが多かったせいでみよしちゃんは彼をもう見限ってしまったのか。
外部で見守るしかない読者としてはそこのところがじれったくてしょうがなかった。通常の青春マンガなら、そこでぶつかりあい、わかりあうという展開を期待するじゃない。

三山のような人間は確かにいる。
なにをしたいのか自分でもわからず、他人のいうことを否定することが意見だと思い、命じられれば反発し、頼られればめんどくさいといい、しかし、無視されれば文句を言う。
こういう人間に対して、「自分が変わらなければなにも始まらない」ということは簡単だ。でもどう変わればいいかわからないとか、変わることが恥だと思っている人間には周囲が声をかけた方がいい。そこまで甘やかすなと言いたくもなるが、やはりこのマンガの三山は哀れにしか見えない。

三山に楽しいことはなにもない。でもみよしちゃんにひっぱられれば部室へくる。誤って音声データを消してしまったのだって何か関わりを持ちたかったからだろう。
3巻まではこの三山がうざくて嫌いだったのだが、4巻の三山はかわいそうだと思った。

唯一の救いは今まで誰に対しても自分の意見を言えずうじうじしてただけの秦野さんが、ストーカー男に対してしっかりと自分の意見を言ったところと、彼女がアニメ部の副部長として最後にでてきたところか。
ただこの秦野さんにしても、彼女と生徒会の関わりよりは直接アニメ部に関わってほしかった。途中で生徒会やみよしの中学のときの話にいってしまって、あれれと思ったんだけど(私個人としては必要ないエピソードだった)、もしかして作者はもっと長く続けるつもりだったのが、なにかの都合で作品が終了してしまったのかと思える。一人一人をもっとつっこんで描きたかったんだろうけど、雑誌がそれを許さなかったのか。小島くんのこととか描かれてないし。長く続けられたなら三山は救われただろうか? 終わってしまったマンガに望みを言っても詮無いが。

中途半端な感じは残るけれど、青春の情熱とつまづきとアニメへの思いを、このマンガは堪能させてくれたのでした。



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ハックス 3巻 今井 哲也

ハックス!(3) (アフタヌーンKC)
ハックス!(3) (アフタヌーンKC)

高校生が自主アニメをつくるお話。今どきの高校生らしく、パソコンでデータをとりこみ、ニコ動どかにUPしている。著作権がどうのこうのという話しもあるが、そこはうにゃうにゃと。
3巻ではアニメの練習のためにニコ動で話題の「ウマウマ」を模写してUPしようという話しに(漫画内では「しゅるらー」というタイトルになっている)。

この話の中で「もとのアニメはミニスカートだけど、使いたいキャラはロングスカートなので動きが違う」と主人公が言うと、先輩が「アニメの設定書と同じデザインでいいんじゃないの」と答える。それに対して主人公が「デザインが違うと動きも違うじゃないですか」と答える。

そう、同じように動いてもロングスカートとミニスカートではスカートのひるがえりが違う。その違いを描けるかどうかが、優れたアニメなんだと思う。
アニメはやっぱり動きであって、そのままの動きがほしければ実写をコマ送りしてアニメートすればいいよ(実際そういう手法はある、モーションナンタラとかって)。実際の動きよりもすてきに動かすってのがアニメ。
私の大好きなアニメのモノノ怪でも、薬売りさんが御札を巻くとき、両手をぐるりと上下に動かして札を円状に展開するシーンがあるんだけど、そのとき、上下の着物の袖が一回慣性の法則で進行方向に動いてそれから逆方向に動く、という描き方をされていて、もうもうそれっだけでスゴイ!! って思うものね。その動きだけで薬売りさんのかっこよさってのは倍増だもんね。

そういえば昔「アルプスの少女ハイジ」(日本アニメーション)劇場版を映画館で観たときですよ。ハイジがおじいさんといっしょにベッドをつくるのね。干したわらを敷いてその上にシーツをかけるの。ハイジとおじいさんが「せーの」でシーツをかけるんだけど、そのときおじいさんの勢いが大きくてハイジがシーツをもったままふわん、と浮かび上がっちゃうの。そのとき。
館内にいた子供たちがいっせいに「うわあ」って声をもらしたの。
あれはね、ハイジが浮かんだからびっくりして声をもらしたんじゃなくて、自分たちがハイジと一緒にふわん、って浮かび上がったからなんですよ!! そういう疑似体験ができるのがアニメなの。アニメの動きなの。
あたしが空飛ぶ夢を見られたのも、そんなふうに疑似体験ができるすてきなアニメをたくさん観てたからなんですよ。

「ハックス」はそういうアニメの動き、というものを今後描いてくれるのかもしれない。

ところで個人的にやる気のない三山先輩の動向が気になります。アニメに熱中しているアニメ研の連中の空気に居場所をなくしていってる彼が、アニメの中でどう関わってくるのか。人間的にはああいうなんの努力もしないで文句だけ言ってて楽な方向へ流されるキャラクターは好きではないのですがね。



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ハックス───アニメの感動 今井 哲也

ハックス!(1) (アフタヌーンKC)
ハックス!(1) (アフタヌーンKC)

高校生が自主アニメを作る話。

同じ設定では「青空動画」があるが、あれはアニメの楽しさより友情をメインにおいた話だが、こちらは実際にアニメを作っていく話。

私が古い人間なので、セルで1枚1枚描いていく方が理解できるのだが、このマンガでは描いた絵をPCで取り込んで動画ソフトであっというまにアニメにしてしまう。しかも発表の場がニコニコ動画(のような動画サイト)。アニメの進化を見るなあ。

アニメは知られているけれどその制作方法はほとんど知られていない。
その難しさ、奥深さを、まったくなにもしならい主人公と一緒に体験していくというマンガ。
アニメってすごいんだよ、絵が動くって、それに感動をもらえるってすごいんだよって視点が気持ちよく、またそれをなかなかわかってもらえないもどかしさが伝わってくる。
私も好きなアニメがそれこそ自主上映からTVアニメ、邦画から外国アニメまでいろいろあるんだけど、その魅力を言葉で伝えるってのはなかなかむずかしい。
見てもらえればわかるのに。

でも、見てもわかってもらえないこともある。
同じアニメを見てても私が受けた感動と同じものを受け取ってもらえない。
ソレは仕方がない。あなたは私ではなく、私はあなたではないから。
だけどその感動を伝えたくて言葉をつくし方法を模索する。
このマンガはなんだかそれを伝えたいと思っているようだ。

ところで部員でもなくただゲームしにきている部長の友人らしき男子。なにかいうと露悪的な台詞を吐き、否定的にものを見ている彼が今後どうなるのか、どうにもならないのかにちょっと興味がある。


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